リーダーシップのあり方について、とても大きなヒントの有る本
ちょうどメルマガでバンドの常識についてなにか補則になるような本は無いかなと探していたとき、 IDEA*IDEAさんの書評に出会いました。業界で成功している企業はほんの一握り。失敗している企業がほとんど。つまり業界の常識っていうのは「失敗している企業の常識」なんだよ
という引用部分に強く惹かれるものがあり、mixiの日記に紹介させてもらったこともあります。 で、本屋に寄る機会があったので、ついふらふらと購入してしまいましたが……買ってよかったと思います。
ちょうどバンドを脱退して、色々とあり……いわゆるバンドのしきたり的な部分での僕の理解と、 一部のバンドマンの方とのずれによるすれ違い、それによるちょっとしたいざこざに辟易としていた為でもあります。 元々「絶対」とか「常識」とか「世間」とか「世の中」という言葉がすごく嫌いだったりします。この辺りはメルマガにも書きましたが。
結局、誰かが言う「世間」はその人の経験してきた「世間」でしかなく、 話し合いにおいてその前提を取り払わない人とは会話が成立しなかったり…… こちらの提案をその人の「常識」から外れるからというだけで一蹴されたり、あるいはためしに実行したらどうなるかの予測もされなかったりで…… 僕の視点からすると、「常識」という言葉を使うことで考えることを拒絶しているようにも見えたりしました。
元々常識を信用できなかったのですが、誰かの後押しがほしかったんだと思います。 丁度、メルマガで話題に上げた直後でしたし、何か参考になるかもしれないと思って購入したのですが、 後押しどころか、リーダーシップの在り様についてもやもやと言葉が見つからなかった部分にあてはまる表現が沢山ありました。
以下は自分が蛍光ペンで線引きをした部分です。
ご購入の参考までに。
- 資金はたくさんあるに越したことは無いが、そこは工夫の仕方で何とでもなると思う。自分の身の丈にあった、無理のない規模から始めればいい
- サイド・ビジネスであろうと、ビジネスであるからには、金銭的にきちっと成立しなきゃいけない
- 失敗したくない気持ちがあると、人間はどうしても周りが気になる
- パチンコで遊びたくなる気持ちの中には、周りの人は儲かってるように見えるという真理が隠れていて、これがビジネスを始めようとする人にも共通しているという点だ
- 今日は喫茶店という台の前に座って存したから、明日はレストランという台を打ってみようというわけにはいかないのだ
- 成功していない人の方が圧倒的に多いのだ
- 商売というものは、やってみないとわからないことだらけだ
- その業界の最低限の常識はわかって無いと失敗する。そう思ってしまうのが、自然な人間の心の動きだろう。だけど、その常識にとらわれていたら、成功する店は作れない。なぜなら、その常識は、失敗している人の常識だからだ
- 常識はずれのことをすれば、必ず成功するというわけじゃない。というより実際には、常識はずれのことをすれば、たいていは失敗する
- ビジネスとして成立させるには、どんなに常識はずれであっても、合理的でなければならない
- 業界の常識というものには、一般人から見れば不合理な、理屈に合わないものが沢山あるのだ
- 成功している人は、最初から常識はずれを狙っているわけではない
- 利益は目的でなくても、ビジネスは利益を上げない限り成立しない。そこには従業員の生活があるわけで、何度も書いているように、彼らが幸せにならなきゃビジネスをやる意味はない
- 従業員が満足して働ける環境を整えれば、サービスの質は自然に向上し、その結果としてお客さんの満足度も高まるというわけだ
- お客さんを感動させるような暖かい気持ちで従業員がサービスをできるかどうかは、彼らが仕事にやり甲斐を感じる職場環境を整えることができるか否かにかかっている
- 問題は、ではどうすれば従業員満足度を高められるかということだ
- 1つだけいえるのは。根元のところで、皆が幸せにならなきゃ意味が無いということを、経営者がいつも真っ先に考えているかどうかだ
- いろんな規則や罰則を作って、社員をがんじがらめにしてひたすら働かせるというタイプの経営者も、まあいまどきは少ないとは思うが、まだいることはいる。そういうやり方が間違っていると思うのは、たとえそれで社員の労働力を物理的に100パーセント引き出すことができたとしても、その代わり精神面での労働力を捨てることになるからだ。精神面での労働力というのは、たとえば創意工夫する能力だ。
- 本人の幸せと会社の業績が一致すれば、愛社精神なんてものは自然に育つ。強制なんかしなくても、従業員はプライドを持って心から会社のために働こうと思う。それはすなわち、自分の幸せでもあるというわけだ
- 社員に身を粉にして働けというなら、経営者は身を粉にして社員の幸せを考えなければいけないのだ。それが僕流の、従業員満足度についての考え方だ
- 人が働く理由は、もちろんお金だけではない。お金だけではないけれど、お金抜きに考えることは絶対にできない
- 給料は従業員満足度に直接関係する。心から喜んで働いてもらうためにも、給料はできるだけ沢山払ってあげたいと思う。
- 宣伝は諸刃の剣
- だから僕はいつも、お客さんが自分の財布からお金を出すのだということを忘れないようにしている
- 他と同じことをしたら駄目だということだ
- どんな小さなことでもいいから、他とは違うことをしないといけない
- たとえ100パーセントのコピーになれたとしても、何の意味もない。単純なコピーは、絶対にオリジナルを超えることはできないのだ
- 若い頃は、先輩の漫才師の舞台を見ながら、失礼な話だけど「惜しいな。ここをこうすればもっと笑いが取れるのに」なんて考えていた。店のアイデアの多くも、よく似たシチュエーションから生まれる
- 若い頃、先輩の芸人さんたちの舞台を見て、「こうすればいいのになあ」なんて失礼なことを考えていたのも同じ。食堂でもレストランでも、同じように店に入ると自然にいろんなことを考える。このシステムはいいとか、ここはもっとこうしたらええんやけどなとか。店のアイデアを考えるのも、僕の場合はエンターテイメントの延長なのだ
- 店の場合は、客としての素直な目でお店を見ることが、アイデアの基本になる。商売をしている人はその道のプロではあるけれど、プロであるがゆえに見えていなかったり、見ようとしない部分がたくさんある
- 世の中には100パーセントのいい人も居なければ、100パーセントの悪い人も居ない。仏頂面で働いている女の子だって、恋人の前ではきっと天使のような笑顔を見せるに違いないのだ。ではどうすれば、その人から天使のような笑顔を引き出すことができるか
- 僕はどんな仕事でも、自分のためにやってこそ、その人の本当の力を発揮できると思っている。だから、誰とどんなビジネスを一緒にやるときでも、その人が一生懸命にやることが、その人自身のためになるように考える
- 一度失敗したことのある人間のほうが成功の可能性は高いはずだ
- 一緒にビジネスをするなら、こいつにだったら裏切られても仕方ないと思えるくらい好きになった人間とやるべきなのだ
- こいつは幸せにならなあかん人間や。こいつのために何かしてやりたい。こいつを男にしたい。そう思える子が僕の周りに居て、じゃあこいつに何をさせたらいいか。こいつのダカールはどこにあるのかと考えた結果が、ラーメン屋であり、喫茶店であり、お好み焼き屋だったのだ
- そもそも高いんやないかと僕が思ったこと自体が、すでに僕の中で、「食べた鮨の満足感」と「支払った値段」とが釣り合っていないことを意味している。客にそう思わせてしまった時点で、店の負けだ
- 客というものは、いつも無意識のうちに、自分の感じた満足感と値段とが見合っているかどうか判断しているのだ
- 「そんなにお金遣うてもろたらあきません。お勘定が高うなるからやめて下さい」と言うのが、店の正しい姿勢だと思う
- そのお金には、人間の気持ちというものが載っていることを忘れてはいけない
- お金を扱う人間は、お金に込められている人間の思いとか、稼ぐために流した汗のことを、ちゃんと意識しなくてはいけないと思う
- お金そのものよりも、そのお金を遣ってすることに興味がある
- 経験から言っても、儲けようとして何かをするとたいてい失敗する
- 勝つと思うな、思わば負けよ
- 人間には欲がある。欲があるから働く気も起きるわけで、よくそのものを否定するわけではない。しかし、よくというのは動物的な本能に近いから、どうしても目の前のものに焦点をあわせてしまう。遠くが見えない。欲に負ければ、他人のモノを手にいれる方法としていちばん手っ取り早い、奪うという方法にどんどん近くなってしまう。それじゃ、商売にはならない。商売は交換なのだ
- 儲けばかり考えていると、お客さんだけでなく、従業員にも悪い影響を与える
- お金以外にも喜びがなければ、いい仕事はできない
- 僕にとってビジネスが遊びであるように、彼らにとってはそれが将来の踏み台でぜんぜんかまわない
- 従業員との関係と、子供の教育はよく似ている。親としてどうしていいかわからないことがあったとき、僕は子供によく言っていた。「やいやい言うな。俺も親は初めてやから、わからへん。でもな、子供は一回経験してる。だからお前らの気持ちは一番わかるで。俺はお前たちを愛している。愛しているから期待はしない。自分の思ったとおりに、好きにやったらいい」親が子供に期待をするというのは、子供に親のためにがんばれと言うのと同じだ
- 飽きるということは、つまり慣れるということで、それは人間の持っている基本的な性質なのだと思う
- 神様の摂理といってもいいかもしれない。お金があろうがなかろうが、人は幸せに生きていける。お金は便利なものだけど、人生の幸せとは無関係なのだ
- やろうと決めたらまずスタートすることだ
- スタートしたら、まず徹底的にリサーチをする。どうすれば成功するか、成功するには何が必要かを考えるのだ
資金はたくさんあるに越したことは無いが、そこは工夫の仕方で何とでもなると思う。自分の身の丈にあった、無理のない規模から始めればいい
これは、いくつものバンドを見てきて素直に感じることでもあります。CDを作るときも、キャラメル包装がどうの、ジャケットがどうの……音色とかでも、エフェクターがないからとか、 アンプを持ってないからとか……違うと思うんですよ。そんなんは余裕が出てきたら買って色々試してみたらいいと思うわけなんですよ。
お金をつかわなくてもできることってたくさん有ると思います。
背伸びして、ラジオの出演料をたくさん払ったり、CDを綺麗にするためにジャケットの印刷などにお金をかけたり、 ライブ本数をやたらと増やしたり……無理に背伸びした結果、喧嘩別れするバンドさん、たくさん見てきました。 原因はやっぱり、背伸びしたことじゃないかなと思います。。。
従業員が満足して働ける環境を整えれば、サービスの質は自然に向上し、その結果としてお客さんの満足度も高まるというわけだ
これは常々思っています。明るくて笑顔の絶えないバンドのバンドリーダーは常にバンドメンバー第一に行動している人がほとんどです。
逆に、どこかギスギスしてるバンドのバンドリーダーは、たいていの場合ワンマンです。「俺を楽しませろ」や「お客さんを楽しませろ」とは言いますが、 「君らを楽しませたい」とは言いません。
バンドに限らず、いいリーダーシップを発揮できているグループは、とてもいい雰囲気で、活動も活発です。 楽しいから、自分からあれこれアイディアを出してきたり、自発的に行動したり……すれ違いがあっても、譲り合ったり、お互いすり合わせてくれたりで、 平和的に終わります。
一番大事なのはリーダーシップではないかなと、本当に思います。。。
愛しているから期待はしない
これが一番心に響いた一言でした。結局、期待してしまうから、結果がついてこなかったときに裏切られたとか、努力が足りてないとか怒ってしまうわけなんじゃないかなと思います。
過剰な期待は相手にもプレッシャーになりますし、それが原因で固くなってしまったりします。
リーダーシップとしてすごく変に感じるかもしれません。結果は出さないといけませんから。 ただ、出すべき結果というものは、あくまでも目標として参加メンバーに伝えるものであって、 目標達成のために怒鳴りつけるのと手を取り合って一緒にやっていくのとでは、どちらのほうが信頼を得やすいかなという話だと思います。
経験を振り返ってみて、自分が好きになった目上の人というのは、例外なく常に最前線に立ち背中を見せるだけの人達でした。
期待されてなかったから、愛されていたからこそ、この人のためにもっと仕事ができるようになりたいって思ったのだと、 この一言を見て理解できました。これだけでも700円以上の価値が有る本だと思います。
参考
関連
- 自分で作った「何か」を売り物にする職業の人にも読んでもらいたい一冊
- 一切の期待をしないについて、補足
- 前略やる夫さん。人気ありすぎです
- 心に残った漫画のセリフ
- データで見る一日にアクセスが500以上あるブログとそうでないブログの違い
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