




一切の期待をしないについて、補足
メルマガの補足になります。今回のメルマガでは、バンドメンバーに対して一切の期待をしないことが、リーダー像として望ましい一つの形なのではないかという内容でした。
これについて、少し補足しておきたい事があります。それは、一切の期待をしないのはバンドリーダーからバンドメンバーへの愛であると同時に、バンドリーダー自身への愛情でもあります。
経験を踏まえて
僕はこれまで、1回だけのライブの物も含めると、かなりの数のバンドリーダー、バンドメンバー、ミュージシャンを見てきました。幸い、その中に悪いリーダーシップの見本も何名か……ご本人達にとっては極めて不本意でしょうが。もちろん、この悪いリーダーの見本には、過去の僕自身も含みます。
悪いリーダーシップの最も典型と思われる部分は、自分から離れていったとき「裏切った!」と言いふらしてしまう所でして、これはすなわち期待の大きさの裏返しともいえます。
ですが、それは愛ではないです。
メルマガでも述べましたが、期待をしないで全てを受け入れ見返りを求めないことが愛なのであって、何かを期待している……すなわち見返りを求めている時点でそれは愛ではありません。
同時に、裏切られた事に対して怒りを露にすることで、ものすごく大きなエネルギーを消費します。期待をしないことが、自分自身の精神衛生にとっても重要であると思われる理由の一つです。
それ以外にも、怒りに任せて相手の悪口を言いふらすバンドマンも多数見受けます。仕方のないことと思いますし、自分も経験がありますし、今でもついやってしまいます。
ただ、人によってはいつまでもいつまでもその悪口を言い続ける人がいます。最近では自分の妄想が事実であるかのように悪口をひろめ、「言われている本人を知らない方」からの印象を下げることに成功しています。
しかし、同時に、「本人を知っている人物」からは「また勝手な妄想言ってるよこの人」となり、はいはいと相槌はうつものの、全く話を聞いていません。関わると面倒な相手という判断を下され、セッションの声も掛けられなくなってしまいました。
怒りに任せて行動をした結果、一番傷ついていたのは自分自身だったわけです。人を呪わば穴二つとは、こういう事でもあるのかなと。
期待は禁物だと思うもう一つの理由
期待は、バンド運営での最大の障害になりうるものの一つだと自分は考えます。
以前のメルマガで書いた「現実を見ない」という原因の一部が、期待なのではないかと思うからです。
きちんとした現状把握や、見えない部分が有るから試してみるなど、そういった計算をあまりしない……というかしようとしない。他にも、他のバンドが上手く行った方法を盲目的に真似る……これが正しい方法だと信じきる……希望や期待は現実ではないのですが、それを覆ってしまうのが厄介だなと。
そういう意味でも、期待をしないというのは運営においても重要だと思うのです。徹底的に現実を見て、分析して、最善を尽くして、失敗したときの手をたくさん用意しておく。失敗こそが大前提であり、大げさですが僕らは常に絶望の底に居ると言う認識は大事だと思うんですよ。その為にも期待や希望は全て捨てる必要があると思うんです。期待や希望によって、自分はどこか違う場所に居ると思い込んでいるからこそ、今居るところが絶望の底と言うことに気がついたとき、裏切られたって感じてしまう。
例えばの話ですが……
「○●をしたら絶対上手く行くはず」⇒失敗⇒「お前らは期待を裏切った」
こういうのは物凄くナンセンスだと思います。この場合、裏切ったのはバンドメンバーではなく、バンドリーダーでしょう。だって、お金つかわせてるのはバンドリーダーですから。
お金をつかわなきゃお金は儲けられない。それは真理です。しかし、使えば使った分だけ儲けられるという訳ではないのもまた真理。お金をつかうのは、儲ける為の道筋や準備が整ってからの話であって、闇雲に使えばいいというわけでも無いでしょう。
それが出来ないからこそ、バンドリーダーは最低限、バンドメンバーを楽しませなきゃいけないと思うんです。
その為にすることは、「楽しんでくれるに違いない」と言う半ば妄想の期待でしょうか?
それとも、「前回は笑わせられなかったから、今回はこれを試してみよう」という準備の量でしょうか……?
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